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注目文献情報

 

 当ベージでは、研究室のジャーナルクラブで取り上げられた注目文献を中心に、代謝学領域で最近発表された興味深い論文を簡単な紹介文とともに掲載していきます。

■Acrp30/アディポネクチン受容体のクローニング

■Cloning of adiponectin receptors that mediate antidiabetic metabolic effects. Nature 2003 Jun 12;423(6941):762-9.
 脂肪細胞から分泌される抗糖尿病ホルモンとして最近注目されているAcrp30(30-kDa adipocyte complement-related protein;別名アディポネクチン)の受容体がクローニングされました。

■カイロミクロン停滞病の原因遺伝子同定

■Mutations in a Sar1 GTPase of COPII vesicles are associated with lipid absorption disorders. Nat Genet 2003 May;34(1):29-31.
 原発性低脂血症のひとつであるカイロミクロン停滞病/アンダーソン病の原因遺伝子が同定され、Sar1bというsmall GTPase蛋白の異常であることが判明しました。Sar1bは小腸からのカイロミクロン分泌に関わるCOPII vesicle上にあるとのことです。

■脂肪細胞のPPARδ

■Peroxisome-proliferator-activated receptor delta activates fat metabolism to prevent obesity. Cell 2003 Apr 18;113(2):159-70.
 PPARδは、ほとんどすべての臓器に存在していて、脂肪酸のβ酸化を促進し、エネルギー消費を増やす点でPPARαと似ていますが、その生理的役割は必ずしもよく解明されていません。今回、PPARδを脂肪細胞特異的に過剰発現させたトランスジェニックマウスが太りにくいこと、PPARδを脂肪細胞特異的にノックアウトしたマウスは逆に肥満になりやすいことが報告され、脂肪細胞のPPARδに抗肥満作用があることがわかりました。脂肪細胞ではPPARαの発現は非常に低い一方で、PPARδは発現量も多く、大事な働きをしているようです。

■肝臓でのPPARγの役割

■Liver-specific disruption of PPARgamma in leptin-deficient mice improves fatty liver but aggravates diabetic phenotypes. J Clin Invest 2003 Mar 1;111(5):737-747.
 インスリン抵抗性改善剤として知られるチアゾリジン誘導体の受容体であるPPARγは、主に脂肪細胞に発現していますが、肝臓においても、脂肪肝を伴うような過栄養状態に生体が置かれると発現が誘導されてくることが知られています。今回、ob/obマウス(ob/obマウスの肝臓でもPPARγは誘導されています)にAlbCreを用いた肝臓特異的PPARγノックアウトマウスをかけ合わせたところ、耐糖能の悪化が見られ、肝臓のPPARγが耐糖能調節に重要な働きをしていることが示されました。またこのマウスにrosiglitazoneを投与すると部分的に耐糖能が改善し、肝臓以外のPPARγも耐糖能改善に寄与していることも示唆されました。なお、ob/obマウスの脂肪肝はPPARγのノックアウトによりほぼ完全に消失しました。

■脂肪酸受容体GPR40とインスリン分泌調節

■Free fatty acids regulate insulin secretion from pancreatic beta cells through GPR40. Nature 2003 Mar 13;422(6928):173-6.
■The orphan G protein-coupled receptor GPR40 is activated by medium and long-chain fatty acids. J Biol Chem 2002 Dec 19; [epub ahead of print].
■A human cell surface receptor activated by free fatty acids and thiazolidinedione drugs. Biochem Biophys Res Commun 2003 Feb 7;301(2):406-10.
 遊離脂肪酸は膵β細胞からのインスリン分泌を促進する因子のひとつとして知られていましたが、今回、この遊離脂肪酸の作用が、リガンド不明のG蛋白結合受容体であったGPR40を介していることが明らかとなりました。GPR40は膵β細胞表面に高発現する遊離脂肪酸の受容体であり、脂肪酸が結合すると細胞内カルシウム濃度が上昇し、これがインスリン分泌を促進します。また、GPR40にはチアゾリジン誘導体も結合するようです。

■Insulin/IGF-1シグナル伝達系とマウス寿命の関係

■IGF-1 receptor regulates lifespan and resistance to oxidative stress in mice. Nature 2003 Jan 9;421(6919):182-7.
■Extended Longevity in Mice Lacking the Insulin Receptor in Adipose Tissue. Science 2003 Jan 24;299(5606):572-4.
 C.elegansのDAF-2やDrosophilaのInR(ともにインスリン受容体ホモログ)の変異体は長寿であることが知られています。今回、哺乳類でも同様の寿命延長が2つのモデルで示されました。ひとつは、IGF-1受容体のヘテロノックアウトマウスで、寿命は30%くらい長いということです('93年のcellに報告されているようにホモは出生時に死亡します)。このマウスの摂食量は不変で、長寿はカロリー摂取量の減少によるものではなく、また成長障害やfertilityの低下もありませんでした。もうひとつのモデルは、脂肪特異的インスリン受容体ノックアウト(fat-specific insulin receptor knockout:FIRKO)マウスで、これも、食餌摂取量は正常であるにも関わらず、平均寿命は18%延長していました。なお、寿命延長マウスとしては、growth hormone受容体ホモノックアウトマウスや遺伝的下垂体機能不全マウス(Ames dwarf/Snell dwarf)も知られていますが、これらは成長障害を伴います。

■酵母PASキナーゼによるグリコーゲン代謝調節

■Coordinate regulation of sugar flux and translation by PAS kinase. Cell 2002 Oct 4;111(1):17-28.
■PAS kinase: An evolutionarily conserved PAS domain-regulated serine/threonine kinase. Proc Natl Acad Sci U S A 2001 Jul 31;98(16):8991-6.
 PASドメインとは3つの蛋白( period clock protein、aryl hydrocarbon receptor nuclear translocatorとsingle-minded protein)の頭文字から名付けられた、これらに共通する約100アミノ酸残基のドメインですが、PASドメインを持つ蛋白にATPやredox状態のセンサーとして働くものが多いことから、酵母のPAS kinaseというPASドメインを持ったリン酸化酵素に着目してその役割を調べたところ、酵母でPAS kinaseがグリコーゲン合成の抑制と蛋白翻訳の促進を担っていた、という報告です。哺乳類でもPAS kinaseはよく保存されており、どんな働きをしているのか、今後注目されそうです。

■肥満、インスリン抵抗性におけるJNK1の役割

■A central role for JNK in obesity and insulin resistance. Nature 2002 Nov 21;420(6913):333-6.
 c-Jun amino-terminal kinases (JNKs) はmitogen-activated protein (MAP) kinasesの一種で、様々なサイトカインやストレス環境下で活性化されます。実際、インスリン抵抗性惹起物質であるTNFαや遊離脂肪酸はJNKsを活性化し、マウスIRS-1のSer307(ヒトではSer312)をリン酸化することでインスリンシグナル伝達を抑制することが知られていました。今回、JNKの活性が肥満マウス(高脂肪食負荷およびob/obマウス)の肝臓、脂肪、骨格筋で上昇していることが明らかになりました。さらにJNK1と2のノックアウトマウスに対し、高脂肪食負荷またはob/obマウスとの交配により肥満させ、解析したところ、JNK1ノックアウトマウスでは肥満とインスリン抵抗性の改善が見られました。

■PPARγ作働薬の新しい作用機序

■A futile metabolic cycle activated in adipocytes by antidiabetic agents. Nat Med 2002 Oct;8(10):1122-8.
 チアゾリジン誘導体薬は血中の遊離脂肪酸濃度を低下させ、これがインスリン抵抗性の改善に一役買っていると考えられていますが、今回そのメカニズムとして、チアゾリジン誘導体薬がglycerol kinaseの発現を脂肪細胞に誘導することがわかりました。glycerol kinaseは中性脂肪の合成に必要なグリセロール3リン酸をグリセロールから合成する酵素ですが、これにより一度分解された中性脂肪の再合成が促進されるために血中への遊離脂肪酸の放出が抑制されるようです。glycerol kinaseは従来、脂肪細胞にはないとされ、脂肪酸の再エステル化には解糖系中間代謝産物からのグリセロール3リン酸の合成が必要と考えられていました(glycerol kinaseがないことで、中性脂肪の分解と合成が同時に生じることが減り、またグルコース取り込み量に応じた遊離脂肪酸の放出抑制機構が働くと考えられています)。

■Foxo1ノックアウトマウスにおけるインスリン抵抗性の改善

■Regulation of insulin action and pancreatic beta-cell function by mutated alleles of the gene encoding forkhead transcription factor Foxo1. Nat Genet 2002 Oct;32(2):245-53.
 Forkhead転写因子ファミリーのFoxo1(forkhead box transcription factor o1; FKHR)はC. elegans のDaf-16遺伝子(C. elegansにおいて寿命を調節するインスリン受容体様遺伝子(Daf-2)およびPI-3 kinase(Age-1)の下流にあってこれらとは逆方向に寿命を調節します)の相同遺伝子です。このことからインスリンシグナルとの関連が想定され、実際、哺乳類においてもAktによるリン酸化を受け、核外へ移送されることでインスリンによる糖新生抑制に関わっていることが知られていました。今回、Foxo1のヘテロノックアウトマウス(ホモは胎内死亡)は肝臓の糖新生系が抑制され、インスリン感受性が亢進することが明らかとなりました。

■1型糖尿病モデル動物の原因遺伝子同定

■Cblb is a major susceptibility gene for rat type 1 diabetes mellitus. Nat Genet 2002 Aug;31(4):391-4.
 IDDMのモデル動物であるKomeda diabetes-prone (KDP) ratの原因遺伝子をpositional cloningしたところ、CblbというCbl/SliファミリーのE3 ubiquitin ligaseでした。CblbはSrc やSyk/ZAP-70ファミリーをユビキチン化することでTリンパ球やBリンパ球の活性化を抑制し、そのノックアウトマウスのホモ接合体は自己免役疾患に罹ることが既に報告されています。

■MCH受容体経路遮断による肥満の改善

■Antidepressant, anxiolytic and anorectic effects of a melanin-concentrating hormone-1 receptor antagonist. Nat Med 2002 Aug;8(8):825-30.
■Melanin-concentrating hormone 1 receptor-deficient mice are lean, hyperactive, and hyperphagic and have altered metabolism. Proc Natl Acad Sci U S A 2002 Mar 5;99(5):3240-5.
 MCH(melanin concentrating hormone)は食欲増進ホルモンとしても知られていますが、今回その受容体のひとつであるMCH1-Rのノックアウトマウスで脂肪組織の減少が見られ、高脂肪食負荷でも肥満を発症しなくなることが報告されました。またMCH1-Rのアンタゴニスト(SNAP-7941)にも同様の抗肥満作用が確認されました。

■INSIG-1/2とコレステロールセンシング機構

■Crucial step in cholesterol homeostasis. Sterols promote binding of SCAP to INSIG-1, a membrane protein that facilitates retention of SREBPs in ER. Cell 2002 Aug 23;110(4):489.
■Cholesterol addition to ER membranes alters conformation of SCAP, the SREBP escort protein that regulates cholesterol metabolism. Mol Cell 2002 Aug;10(2):237.
■Insig-2, a second endoplasmic reticulum protein that binds SCAP and blocks export of sterol regulatory element-binding proteins. Proc Natl Acad Sci U S A 2002 Oct 1;99(20):12753-8.
■Accelerated degradation of HMG CoA reductase mediated by binding of insig-1 to its sterol-sensing domain. Mol Cell 2003 Jan;11(1):25-33.
■Liver-specific mRNA for Insig-2 down-regulated by insulin: Implications for fatty acid synthesis. Proc Natl Acad Sci U S A 2003 Mar 18;100(6):3155-60.
 SREBP-1/2は切断により活性化(N末側が細胞質内へ遊離し、核へ移行して転写因子としての働き出す)されますが、その切断のためにはSCAP(SREBP Cleavage Activating Protein)に結合してERからGolgiへ運ばれる必要があります。SCAPは細胞内コレステロール濃度によりERに留まるか、Golgiへ移動するかが調節されていますが、今回、このSCAPのステロールセンシング領域に結合するER膜蛋白がクローニングされ、その正体はINSIG-1(Insulin Induced Gene-1)と判明しました。INSIG-1とSCAPはコレステロール依存的に結合します。しかもINSIG-1は、SREBPによって発現が誘導されるという非常に面白い性質も持った蛋白でした。さらにINSIG-1の相同遺伝子のとしてINSIG-2も報告されました。INSIG-2には全く同じ蛋白をコードする2種類のmRNA(2aと2b)があり、このうち2aが肝臓specificに発現していて、insulinによって強くdownregulateされるため、insulinによるSREBP-1cの誘導は阻害されない、とされています。またINSIG-1はSCAPだけでなく、HMG-CoA reductaseのステロールセンシング領域 ともコレステロール依存的に結合し、reductaseのubiquitin-proteasome系での分解を促進することも報告されました。

■腸管由来食欲抑制ペプチドPYY(3-36)

■Gut hormone PYY(3-36) physiologically inhibits food intake. Nature 2002 Aug 8;418(6898):650-4.
 Peptide YY (PYY) はNeuropeptide Y (NPY)、 Pancreatic Polypeptide (PP) とともにNPYファミリーに属する腸脳ペプチドです。PYY(3-36)はY2受容体のアゴニストであり、食事摂取により小腸からの分泌が増加することが知られていましたが、今回、食欲抑制作用のあることが見い出されました。

■血管新生阻害剤の抗肥満作用

■Adipose tissue mass can be regulated through the vasculature. Proc Natl Acad Sci U S A 2002 Aug 6;99(16):10730-5.
 固形腫瘍の治療薬として期待されていた種々の血管新生阻害物質(新規化合物2種とangiostatin、endostatin)の投与により肥満が改善することがいくつかのマウス肥満モデルで示されました。

■カロりー制限と老化と呼吸

■Calorie restriction extends Saccharomyces cerevisiae lifespan by increasing respiration. Nature 2002 Jul 18;418(6895):344-8.
 出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のカロリー制限は寿命を延長しますが、それにはSir2(Silent information regulator 2)が必要です。Sir2は酵母における不活性クロマチン構造の構成成分としてテロメア領域やリボゾームDNA領域における転写抑制や相同組み換えの抑制を担う蛋白ですが、Sir2遺伝子を余分に持つと寿命が延長するのに対し、Sir2を欠くと短命になります。そしてSir2はNAD(Nicotinamide Adenine Dinucleotide)依存性ヒストン脱アセチル化酵素であることが最近判明し、カロリー制限による寿命延長にはNADも必要であることが明らかとなっています。今回、出芽酵母のカロリー制限を観察したところ、むしろ酸素消費量は増えていて、呼吸量は増加していました。これは呼吸量が多いと活性酸素が多く出て寿命を短くするという従来からの考え方と異なっていますが、電子伝達系が活発な方がNAD/NADH比が高くなることでSir2が活性化するものと推測されました。

■GIPの新たな作用

■Inhibition of gastric inhibitory polypeptide signaling prevents obesity. Nat Med 2002 Jul;8(7):738-42.
 インクレチンとして知られるGastric Inhibitory Polypeptide(GIP)に、脂肪組織に働いて肥満を促進する作用のあることがわかりました。

■動脈硬化病変形成とApoB100

■Subendothelial retention of atherogenic lipoproteins in early atherosclerosis. Nature 2002 Jun 13;417(6890):750-4.
 apoB含有リポ蛋白は動脈硬化促進的であることが知られていますが、そのメカニズムとして、血管内皮表面のプロテオグリカンの陰性荷電とapoB100の塩基性アミノ酸の陽性荷電との間の相互作用によってapoB含有リポ蛋白が内皮下へ引き寄せられることが重要らしいことが示されました。

■肝幹細胞からのβ細胞分化誘導

■In vitro trans-differentiation of adult hepatic stem cells into pancreatic endocrine hormone-producing cells. Proc Natl Acad Sci U S A 2002 Jun 11;99(12):8078-83.
 ラットの肝幹細胞からin vitroでランゲルハンス島様細胞塊を分化誘導させ、インスリンを分泌させることができたとの報告です。

■コレステロール低下作用を示す民間療法薬の作用機序の解明

■A natural product that lowers cholesterol as an antagonist ligand for FXR. Science 2002 May 31;296(5573):1703-6.
 紀元前よりインドの伝統医学 で肥満治療などに使われていたググル樹脂にはコレステロール低下作用のあることが以前から知られていましたが、その有効成分guggulsterone [4,17(20)-pregnadiene-3,16-dione]がFarnesoid X Receptor (FXR)のアンタゴニストであったとの報告です。

■ショウジョウバエのインスリン類似蛋白の作用

■Ablation of insulin-producing neurons in flies: growth and diabetic phenotypes. Science 2002 May 10;296(5570):1118-20.
 ショウジョウバエのインスリン類似ペプチドは5つの遺伝子がゲノムから見つかっていますが、そのうち4つは脳内のInsulin-producing Cells(IPCs)と呼ばれる小さな細胞塊に発現しています。そのひとつのプロモーターに細胞死を起こさせる蛋白をつないだトランスジーンの導入によりIPCsを消失させたところ、発育遅延とトレハロース(昆虫の血糖)の上昇が見られました。

■ショウジョウバエのSREBP

■Regulation of SREBP processing and membrane lipid production by phospholipids in Drosophila. Science 2002 May 3;296(5569):879-83.
 ショウジョウバエにはSREBP相同遺伝子が一つだけありますが、哺乳類ではsterolなどで調節されるのに対し、ショウジョウバエのSREBPはphosphatidylethanolamineにより活性化が制御されていて、脂肪酸やリン脂質の合成系の転写調節を行っていました。

■Generalized Lipodystrophyの原因遺伝子

■AGPAT2 is mutated in congenital generalized lipodystrophy linked to chromosome 9q34. Nat Genet 2002 May;31(1):21-3.
■Identification of the gene altered in Berardinelli-Seip congenital lipodystrophy on chromosome 11q13. Nat Genet 2001 Aug;28(4):365-70.
 先天性全身性脂肪萎縮症候群(BSCL)の原因遺伝子が同定されました。BSCL1(9q34)は中性脂肪合成系の酵素のAGPAT2、BSCL2(11q13)はseipin(G蛋白類似遺伝子)でした。

■CEACAM1によるインスリンクリアランスの制御

■CEACAM1 regulates insulin clearance in liver. Nat Genet 2002 Mar;30(3):270-6.
 CEACAM1(Carcinoembryonic Antigen-related Cell Adhesion Molecule 1)はImmunoglobulinスパーファミリーに属する糖蛋白で、細小血管の内皮細胞表面などにある接着因子です。血管新生などに関与していることが知られていましたが、今回、肝臓においてインスリンのendocytosisを促進することでインスリンのクリアランスを制御していることが明らかとなりました。

■Angiopoietin-like protein 3

Angptl3 regulates lipid metabolism in mice. Nat Genet 2002 Feb;30(2):151-7.
■ANGPTL3 decreases VLDL triglyceride clearance by inhibition of lipoprotein lipase. J Biol Chem 2002 Sep 13;277(37):33742-8.
 血中中性脂肪値が異常に低い変異マウスから、その原因遺伝子をポジショナルクローニングしたところ、Angiopoietin-like protein 3という蛋白の異常であることがわかりました。Angiopoietin-like protein 3はリポ蛋白リパーゼの活性を阻害することも明らかとなりました。

■酸化還元状態と高脂血症

■Positional cloning of the combined hyperlipidemia gene Hyplip1. Nat Genet 2002 Jan;30(1):110-6.
 混合型家族性高脂血症のモデルマウスと考えられるHcB-19系統のマウスから原因遺伝子(Hyplip1)をポジショナルクローニングしたところ、thioredoxin interacting protein(Txnip)という、細胞質にあって酸化還元状態を調節する蛋白質(thioredoxinを阻害)をコードする遺伝子でした。HcB-19では血中lactate/pyruvateが上昇していることから、細胞内[NADH]/{NAD+]が上昇しているものと思われ、これによってクエン酸回路が抑制され、CO2産生やβ酸化が低下しているために高脂血症を呈しているものと考えられました。

■p53と癌抑制と老化

■p53 mutant mice that display early ageing-associated phenotypes. Nature 2002 Jan 3;415(6867):26-7.
□'Super p53' mice exhibit enhanced DNA damage response, are tumor resistant and age normally. EMBO J 2002 Nov 15;21(22):6225-6235.
 癌抑制遺伝子であるp53は細胞の老化によっても活性化されることが知られていましたが、今回、p53がconstitutiveに活性化されるような変異をマウスp53遺伝子に導入したところ、腫瘍の発生の抑制とともに、老化の促進が見られました。(ただし、正常な制御化に過剰発現させたTgマウスでは腫瘍の発生の抑制のみで、老化の促進は認められませんでした。)

 

 

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